従業員が育休を取るときに活用できる助成金①~男性育休~

助成金

従業員が育児休業を取得する予定があるなら、「両立支援等助成金」の活用をご検討ください。
両立支援等助成金で活用できるコースは2つあります。

  1. 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
  2. 育児休業等支援コース
    ※どちらのコースも中小企業事業主のみ対象です。

出生時両立支援コース

厚生労働省リーフレット「2022年度両立支援等助成金のご案内」

以前よりあったこちらのコースですが、2022年度より内容が大幅に変わっています。
大企業も対象となっていましたが、2022年度からは中小企業事業主のみが対象になりました。
また、第1種と第2種に分かれており、第1種の助成金を受給していなければ、第2種の申請はできません。

このコースは、男性労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境整備や業務体制整備を行い、育児休業を取得した男性労働者が生じた事業主に支給されます。(第1種、第2種とも1事業主1回限り)
では、第1種の申請要件を確認していきましょう。

雇用環境整備を複数実施

育児・介護休業法に定める雇用環境整備の措置を複数行っていること。

雇用環境整備の措置については、こちらの記事をご参照ください。この措置は1つ以上行うことが義務付けられていますが、助成金を申請するには2つ以上行う必要があります。
また、2022年10月より始まる産後パパ育休の申出期限を「育児休業開始日の2週間前まで」より長くしている場合は、3つ以上の措置を行う必要があります。

業務見直しの規定を策定する

育児休業取得者の業務を代替する労働者の、業務見直しに係る規定等を策定し、当該規定に基づき業務体制の整備をしていること。

業務見直しに係る規定は、規定を策定し、従業員10人以上の事業所であれば労基署へ届出を行います。

(就業規則や内規において定める場合の例)
会社は、育児休業を取得する労働者が生じたことに伴い当該労働者の業務を代替することとなった労働者の業務の増加に伴う負担を軽減するため、育児休業を取得する労働者の業務の整理・引き継ぎに係る支援を行うとともに、当該労働者の業務を代替することとなった労働者への引き継ぎの対象となる業務について、休廃止・縮小、効率化・省力化、実施体制の変更、外注等の見直しを検討し、検討結果を踏まえて必要な対応を行うこととする。

出生後8週間以内に5日以上の育児休業を取得

男性労働者が子の出生後8週間以内に開始する連続5日以上の育児休業を取得すること。(※所定労働日が4日以上含まれていることが必要。)

連続5日以上の育児休業ですが、注意すべきポイントとして「所定労働日が4日以上含まれている」があります。所定労働日は対象従業員の本来勤務すべき日なので、例えば土日が所定休日であれば、水曜日から日曜日の5日間の育児休業取得は助成金申請の要件を満たしません。
火曜日から土曜日の5日間の育児休業取得であれば、所定労働日が4日以上含まれているので、要件を満たします。

代替要員加算

男性労働者の育児休業取得にあたり、代替要員として新たに従業員を雇用した場合、第1種申請の支給額に加算がされます。
短期間の育児休業であれば今いる従業員で休業中の業務をフォローすることができるかもしれませんが、長期で育児休業を取得する場合は休業者の業務を代わりに行うものとして、新たな従業員を雇用したり派遣社員を迎えたりすることもあるでしょう。その際には、代替要員加算を取ることが可能です。

第1種申請のポイントはここまでです。あくまで大まかなポイントであり、上記以外にも申請までに必要な段取りがありますので、その点ご了承ください。
次回は第2種申請について触れていきます。

労務管理を正しく行えている会社は助成金の活用が可能です。しかし、助成金を申請するためには外してはいけない要件や細かいポイントが多くあります。
「会社の担当者に任せて申請したが、不支給になってしまった…」というお話を聞くこともあります。
助成金申請~支給決定するまでのサポートはりか社労士事務所にお任せください。