従業員が育休を取るときに活用できる助成金③

助成金

従業員が育児休業を取得する予定があるなら、「両立支援等助成金」の活用をご検討ください。
両立支援等助成金で活用できるコースは2つあります。

  1. 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
  2. 育児休業等支援コース
    ※どちらのコースも中小企業事業主のみ対象です。

今回は、「育児休業等支援コース」の解説をしていきます。出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)についての記事はこちらです。

育児休業等支援コース

出生時両立支援コースは2022年度で大幅に変わりましたが、育児休業等支援コースは2021年度の内容から大きな変更はありません。

育児休業等支援コースは育児休業の円滑な取得や職場復帰のための取組を行った中小企業事業主が受給できます。

厚生労働省リーフレット「2022年度両立支援等助成金のご案内」
※ 支給額 < >内は、生産性要件を満たした場合の支給額。

多くの会社で申請要件に該当する可能性がある、上記2つについて触れていきます。

育休取得時の要件

育児休業の取得、職場復帰についてプランにより支援する措置を実施する旨を、あらかじめ労働者へ周知すること。

育児介護休業規程に「育児休業の取得、職場復帰についてプランにより支援する措置を実施する旨」を定めて、労働者に周知します。

産休・育休に入る予定の労働者と面談を実施し、面談結果を記録した上で育児の状況や今後の働き方についての希望等を確認のうえ、プランを作成すること。

妊娠の報告を受けたら、まず1度その従業員と面談をします。
面談結果を面談シートに記録し、面談内容を踏まえて「育休復帰支援プラン」を作成します。
また、従業員が休業に入る2か月前に、再度面談を行います。

プランに基づき、対象従業員の育児休業(産前休業から引き続き産後休業及び育児休業をする場合は、産前休業。)の開始日の前日までに、プランに基づいて業務の引き継ぎを実施し、対象従業員に、連続3か月以上の育児休業(産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合は、産後休業を含む)を取得させること。

作成したプランに基づいて、休業に入るまでに引継ぎを完了させます。
休業に入った従業員が連続3ヵ月以上の育児休業を取得することで申請要件を満たします。

なお、育児休業をする従業員が男性の場合でも、要件を満たしていれば助成金申請の対象となります。
また、面談シートや育休復帰支援プランは厚生労働省の様式を使用します。

職場復帰時の要件

対象従業員の育児休業中にプランに基づく措置を実施し、職務や業務の情報・資料の提供を実施すること。

育児休業に入る前に作成した「育休復帰支援プラン」に基づいて、育休中の従業員に会社の情報や資料を提供します。対象従業員の業務に関わる情報を郵送・手渡し・メール等により定期的に提供することで、復帰しやすい環境を作ります。
情報は例えば、社内報や人事異動の情報、業務マニュアルの変更などです。業務に関わるものでなければいけないので、「健康診断のお知らせ」や「育児休業給付金に関する文書」は含まれません。

育休取得時にかかる同一の対象従業員に対し、育児休業終了前にその上司又は人事労務担当者が面談を実施し、面談結果を記録すること。

まず、育児休業終了前に面談をし、復帰後の働き方について従業員本人の希望を確認しておきます。そして、復帰して2か月経ったあとにも面談を行います。2回の面談内容は育児休業開始前に使用した面談シートにそれぞれ記録します。

対象従業員を、面談結果を踏まえ原則として原職等に復帰させ、原職等復帰後も申請日までの間、雇用保険被保険者として6か月以上継続雇用していること。

ポイントは、「原職等に復帰」です。原則、育児休業前と同じ労働条件で復帰させます。育児短時間勤務制度を利用して、1日8時間勤務だったものを6時間勤務に変更するような所定労働時間の短縮は「原職等に復帰」に該当します。
しかし、正社員だった従業員がパートとして職場復帰する場合は申請要件を満たしません。この場合でも、パートで勤務したいという従業員の希望があったのであれば、その理由によっては申請要件を満たす可能性もあります。

なお、職場復帰時は単独では申請できません。「育休取得時」で申請した対象従業員が育児休業を終了し、職場に復帰した際に申請できるものです。

上記にあげた助成金申請のための要件はあくまで主な要件です。この他にも細かい要件や注意点がありますので、その点ご了承ください。。
会社で行うと時間も手間もかかる助成金の申請はりか社労士事務所にお任せください。

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