休日と休暇の違い

就業規則
人事総務担当者
人事総務担当者

休日と休暇はどちらも休みなので違いはないと思うのですが、なぜ異なる言い方をするのでしょうか?

休日と休暇の違いについて、知っている方はなかなかいらっしゃいません。ですが、給与計算や勤怠管理上、その違いを理解しておくことは重要です。

休日とは

休日は労働する義務がない日のことです。
労働義務がない日なので、「この日は休みます」という申請は不要です。
休日に社員を出勤させるには、会社から社員に「休日出勤命令」を出します。ちなみに、36協定の届出や就業規則に定めがあることが、「休日出勤命令」をするための前提条件となります。

休日には法定休日と所定休日(法定外休日)の2種類があります。
この違いについては、こちらをご参照ください。

労働義務がない日なので、休日に年次有給休暇を取得することはできません。退職時に残った年次有給休暇をまとめて取得する際、休日は飛ばして取得することになります。

休暇とは

休暇は労働する義務がある日に、労働義務が免除される日です。

休暇にも法定休暇と法定外休暇の2種類があります。
法定休暇の代表例は年次有給休暇で、法定外休暇(特別休暇)として多くの会社が定めているのが慶弔休暇やバースデー休暇です。法定休暇は与えることが法律で義務付けられていますが、法定外休暇は会社ごとに定めます。

年次有給休暇は有給(休暇を取得した日に給与が発生)と義務づけられていますが、それ以外の休暇は有給・無給のどちらにするかを会社が自由に決められます。

お盆や年末年始のお休みは休日と休暇どちらにしてる?

貴社ではお盆や年末年始のお休みを「休日」と「休暇」のどちらにしていますか。
就業規則の「休日」規定にお盆や年末年始のお休みが記載されているのであれば、労働義務のない「休日」です。名称が「夏季休暇」となっていても、「休日」の扱いになります。

夏季や年末年始のお休みが「休日」か「休暇」のどちらなのかで、残業代の基礎となる時間単価が変わります。

休日と休暇の違いは給与計算に影響する

具体的な例で確認してみましょう。

【年間休日数120日(夏季休暇5日、年末年始休暇5日は休日なので含める)】
○1日の所定労働時間 8時間
○所定労働日数(365日-120日)245日
○年平均月間所定労働日数 245日÷12か月=20.4日
○平均月間所定労働時間  20.4日×8時間=163.2時間

月給30万円だと、30万円÷163.2=1,838円
時間単価は1,838円

【年間休日数110日(夏季休暇5日、年末年始休暇5日は休暇なので含めない)】
○1日の所定労働時間 8時間
○所定労働日数(365日-110日)255日
○年平均月間所定労働日数 255日÷12か月=21.2日
○平均月間所定労働時間  21.2日×8時間=169.6時間

月給30万円だと、30万円÷169.6=1,769円
時間単価は1,769円

仮に上記条件の社員が月20時間の残業をした場合、
【夏季休暇・年末年始休暇は休日のパターン】1,838円×1.25×20時間=45,950円
【夏季休暇・年末年始休暇は休暇のパターン】1,769円×1.25×20時間=44,225円
1か月1,725円の差。1年間で20,700円の差があります。

このように、休日・休暇の違いは給与計算に影響を及ぼします。
会社の就業規則の「休日」規定を1度確認してみてください。

就業規則は会社のルールを定める非常に重要なものです。インターネット上にあるひな型を少し変更しただけの就業規則は危険です。また、就業規則は1度作ったら終わりではないです。法改正や会社のルール変更に合わせて、随時修正をしていく必要があります。

うちの就業規則、随分前に作ったものだけど大丈夫かな…?

不安を感じるようでしたら、埼玉県さいたま市のりか社労士事務所までご相談ください。