新型コロナウイルスによる労災申請の申請件数が急増しているそうです。
厚労省によると、コロナ関連の労災申請数は1月の582件だったが、2月以降急増。3月に5934件と過去最高を更新し、4月は初めて8千件を超えた。4月の単月だけで、2021年度の合計申請数の約3分の1を占める多さだ。
2022年5月20日 日本経済新聞より
コロナ感染者が0人だという会社は、今ではほとんどないのではないでしょうか。
感染した際、どのような対応をされたでしょうか。
感染による病院での診療や欠勤が労災申請の対象になる可能性があります。
以下は、厚生労働省により発表されている、実際に労災認定された事例です。
職種:飲食店店員
Aさんは、飲食店内での接客業務に従事していたが、店内でクラスターが発生し、これにより感染したと認められたことから、支給決定された。
職種:工事現場施工管理業務従事者
感染経路は特定されなかったが、Bさんは、発症前 14日間に、工事現場の事務室において現場の施工状況を管理する業務に従事していた際、当該事務室でBさんの他にも、新型コロナウイルスに感染した者が勤務していたことが確認された。このため、Bさんは、感染リスクが相対的に高いと考えられる労働環境下での業務に従事しており、私生活での行動等から一般生活では感染するリスクが非常に低い状況であったことが認められたことから、支給決定された。
職種:販売店員
感染経路は特定されなかったが、Cさんは、発症前 14日間に、日々数十人と接客し商品説明等を行う等感染リスクが相対的に高いと考えられる労働環境下での業務に従事しており、私生活での行動等から一般生活では感染するリスクが非常に低い状況であったことが認められたことから、支給決定された。
事例の通り、職場内でクラスターが発生しているケースはもちろんですが、職場内にコロナ感染者がいないケースでも顧客との接触機会が多い労働環境であると労災認定されています。
「このケースでは、労災にはならない」と決めつけて、申請を控えることはしない方がいいでしょう。
また、厚生労働省が「新型コロナウイルス感染症による罹患後症状の労災補償における取扱い等について(令和4年基補発0512第1号)」で公表している通り、罹患後症状(後遺症)についても労災保険給付の対象になります。
「でも、労災申請をすると、労災保険料も高くなるのでは?」と心配される経営者の方もいらっしゃるかと思います。
従業員のコロナ感染による労災申請は保険料に影響しない特例が設けられているのでご安心ください。
従業員の新型コロナウイルス感染による労災申請はりか社労士事務所にご相談ください。
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